正直なところ評価が難しい・・・
きらめいているところは間違いなくある。ダンサーには魅力的な切れもあるし、緩急のつけ方も悪くない。背後の壁面に投影される映像についても、心をそそられるものが多い。
でも、何かが足りないのだ。
一番弱さを感じたのは人数をかけた表現の部分、2人のダンサーがいて、でも二人の力が共鳴していない。ユニゾンの部分が雑に感じられたり
広い舞台を使いきれていない印象があったり。
中でも、舞台に常駐しているテンションにもかかわらず、舞台上で時として緊迫感が感じられなくなるのが痛い
観客にとって力で押される部分と緻密に演じられる部分が混在することはイメージを受け取る上で決して悪いことではないのだがそれが成り立つのは双方のテンションにビジョンがあり妥協がないことが基本的条件。しかしながら舞台全体の中でふっと緊張感が抜けてしまう部分がけっこう目立つのだ。
初日でもあり、演じるほうにもどこかに戸惑いがあるのかもしれないが
それにしても演じられるものに緊張感や弛緩の感覚がなかなかやってこないのは観ているほうにとってもそれなりにつらい。演じられていることの意図は理解しうるし、理解させるように映像がきちんとサポートしているのだが、もっと舞台側にとりこまれるような感覚があってもよいのではないかと思う。
せりふを使うことでイメージがしっかり固定されて、その上で演じられるものには
しっかりとパワーと動きの意図が感じられたので、決して力がないパフォーマーたちではないのだと思う。それだけに舞台が発するものを観客が受け取る過程でもっと精度の高いなにかがやってきてもよいような気がするのだ。
映像は、思惟に満ちた非常に豊かなものであった。しかも率直でテイストに満ち溢れている。映像の中にパフォーマーたちが交差するとき、映像のもつ広がりがさらに大きな意味を持って見えた
Nibrollについていえば、また観たいとはおもう何かを持ってはいる。フォーカスがもっとしっかりしたとき、きっと見えてくるであろう何かがあるかを感じることができた。ただ粒子が粗い感じがどうしてもしてしまう。ふっとシンパシーを感じる部分も多いのに心の中で膨らませてその鮮やかさにため息をつくほどの鮮明さがついてこないのだ。
| 日時 | 劇団名 | タイトル | 会場 |
|---|---|---|---|
’07.3月2日 S |
Nibroll |
no direction。 | パナソニックセンター東京 有明スタジオ |
| directed by Nibroll 矢内原美邦 高橋啓祐 矢内原充志 浦之入海 スカンク 伊藤剛 出演: 足立智充 木村美那子 佐川智香 たかぎまゆ 原田悠 藤瀬のり子 陽茂弥 山本圭祐 矢内原美邦 |
この文章にはいわゆるネタバレがあります。ご了承のうえお読み下さい